ここ最近注目されるようになった、筋力や体力についての指針。
フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
加齢とともに筋力や体力が低下していくことは避けられませんが、元気な熟年時代を生きるためには、若いうちからの対策がとても大切です。
気づいた今から取り組んでいきましょう!
そのための基礎知識と心構えについて綴ります。
フレイルというのは、加齢とともに運動機能や認知機能などが低下した『虚弱』な状態を呼ぶのだそうです。
通常の生活に何の支障もない元気なときと、誰かのお世話が必要な介護を受ける状態の、中間くらいの、少し体力・気力が落ちてきたかな、という時期の状態。フレイル。
の三つの観点から構成し定義づけている、高齢者特有の状態だそうです。
今までできていたことがだんだんできなくなってきた、と感じる、そんな段階です。
こんな項目があてはまると「フレイル」という状態と言えるんだそうです。
さてこのフレイルというのは“虚弱”という状態を意味するのですが、傍から見てわかりやすいのは、痩せたり、あまり元気に動けなかったり、精神的にも元気が減り、生活に充実感が見えないという状態です。そしてこの要因となるのは、意外にも 「社会的な状態」が最も大きいのだそうです。
「社会的な状態」というのは、話し相手がいない孤立だったり、いつも食事はひとりでする孤食だったり、外出せずだれとも交流のない閉じこもりといった、社会的なかかわりが無くなることで、この不活な状態が身体にも精神にも影響を及ぼすという原因になるのだそうです。
昭和時代にはご近所付き合いがあたり前だった、そんな時代をまた復活させたいものですね!
ロコモティブシンドロームというのは、筋肉や関節・骨など、運動するための機能が衰えることで、「歩く」「立ち上がる」といった基本的な動きに支障が出てくる状態をいいます。これが進行すると、介護が必要になってくると言われています。
加齢とともに筋肉量が減る、運動量が減る、というのは考えられることですが、まだその段階に達していないという場合、減ってから増やすよりも減らないように維持することの方がはるかに楽なので、今現在まだ関係ないな、と感じる人は、筋肉をつくる食事、筋肉を使う生活というものを習慣にしていくといいですね。
今現在すでにあてはまると感じる人は、今日からできることを始めましょう。
人間は生きている限り成長します。
細胞は日々生まれ変わり、骨や筋肉も作ることができるのです。
食べること、動くこと、休息をとること、という基本的な生活習慣を意識していきましょう。
サルコペニアというのはギリシャ語でサルコ(筋肉)ぺニア(喪失する)を合わせた造語とのこと。
これは、加齢が原因とされるものと、加齢以外が原因となるものに分類されています。
簡単に言うと、タンパク質の摂取不足と運動量の減少などにより、つくられる筋肉よりも分解される筋肉の方が多くなることで筋肉量が減っていくことに併せ、身体機能が低下していく状態です。
さて、このサルコペニアである(または将来的になる可能性がある)かどうかをチェックできるテストがあります。
『指輪っかテスト』です。
よかったらちょっとやってみてください。
このとき、輪っかでふくらはぎが囲めないほどしっかりした筋肉がついていればサルコペニアである可能性が低いですが、ちょうど囲めたり、隙間ができるといった状態は、可能性が中程度から高い程度と考えられます。
神奈川県ホームページ
サルコペニアは加齢によるものは心構えもできますが、加齢以外の原因になると、たとえば内臓の疾患によるものだったり、様々な理由で日常の活動が低下することだったり、栄養障害で食事から栄養を摂れないこと、のように、年齢に関係なく起きる事があるようです。
40歳を過ぎるとだんだん筋肉量が減っていくと言われていますので、その時期に合わせて、その他の環境でサルコペニアの状態を早いうちから招くことも十分に考えられる。
やはり、食事、運動、休息という基本的な生活習慣は、気づいた時から意識していくことは大切ですね。