予防すること

しなやかなカラダに器を育てる

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しなやかなカラダとは、弾力があり、柔らかさがあり、生命力がすみずみまで行きわたり、そこに宿るタマシイとココロは豊かさと余裕を携え、磨かれた器とともに時の流れを楽しむゆとりのあるステージ。

限りある時間をいかに豊かに過ごせるか、にしなやかさは重要な鍵になるのでは。

しなやかなカラダにもっとも必要なのは

しなやかさとは瑞々しく柔軟でエネルギーが程よく循環した状態。

肉体のそのしなやかさを保つためにとても大切な、カラダの中にあるものはなにか。

それは私たちの命の脈となる『血管』。そしてそこを絶え間なく流れる真っ赤な『血液』は、命を養うエネルギーを満たす。

さて、その血管にはどのようなものがあるか、ご存知でしょうか?

実は血管は「動脈」「静脈」「毛細血管」とそのタイプを3つに分けています。

そしてその中でも全身が若くしなやかであるためには、「毛細血管がいかに若いか」ということが、とても重要になってくるのです。

つまり、しなやかな肉体にもっとも重要なのは、『血液』及び『毛細血管』

では質問です。
その3つの血管はそれぞれカラダの中にどれくらいの割合であるでしょう?

毛細血管は全体の99%

実は、存在感のある動脈や静脈は全体のほんの1%に過ぎず、なんと99%は毛細血管!

命取りになるような血管の病気は動脈などの太い血管が関係していますが、全身にくまなく張り巡らされている毛細血管はすべての臓器の機能を支えるという大役をこなしています。

ということは、脳に血液が十分届かなければ徐々に認知症に進行するとか、末端の血流が下がると血圧があがり高血圧になるとか、代謝が落ちて糖尿病になるというような環境を助長してしまうのです。

つまり加齢とともに増える疾患は、実は毛細血管の血流不足、またそのせいで血流が途絶え、毛細血管が消えてしまうこと(ゴースト血管)で進むという状況を聞き逃すのはちょっとまずいと気づくわけですね。

赤血球がかろうじてひとつ通るぐらいの細い細い血管のすべてが元気であることは、私たちの各臓器や筋肉、そしてカラダの隅々まで栄養をいきわたらせ、老廃物を回収し排泄するという作業を継続的に行えるということです。

つまり、毛細血管というのは、若くしなやかなカラダをつくるための立役者なんですね。

血管を流れる血液とその役割

さて、あらためて血液というのはどんな役割があるのでしょう。

  1. 酸素や栄養を運ぶ
    赤血球のヘモグロビンが酸素を運び、食べたものの栄養素を必要なところへ運ぶ

  2. 二酸化炭素や老廃物を運ぶ
    いらなくなった二酸化炭素や不要になったゴミを肝臓や腎臓を通り外に出す

  3. 免疫機能
    白血球が侵入した異物やガン細胞などと闘い、退治してくれる

  4. 体温の調節
    血管の太さを広げたり縮めたりして、皮膚表面の温度を調整して体温を調整する

  5. 情報を伝達する
    ホルモンと神経という2つの手段を使い、カラダの機能に関する情報などを伝える

血液は私たちが生きていく上で欠かせないエネルギー。

血管を通って血液がこれだけたくさんの重要な仕事を滞りなくおこなってくれるから、私たちは朝起きると目覚め、活動できるんですね。

でも私たちはみな、食べているものがそれぞれ違う。住んでいる環境も、毎日の行動も違う。

その違いは少なからず、血液の内容(質)に影響し、その血液の成分を栄養分とする細胞一つ一つが影響を受けていることは明解。

それゆえ、その細胞によってつくられるものが、強くしなやかな血管をもつ若さみなぎる肉体なのか、硬く柔軟性のない血管のために実年齢よりも老けた肉体なのか、私たちは日々の生活習慣の中で、じわじわと知らず知らず、自ら率先してそのどちらかを進んでいるというわけです。

血管を強くしなやかにする

そこで目をつけるポイントとしては

  1. 血管を構成している栄養素
  2. 血管壁を傷つけずやわらかくキープするための食事のとり方
  3. 自律神経およびホルモンと仲良くなる

まずはこのあたりを意識していきましょう。

1. 血管を構成している栄養素

血管というのは、しつこいようですが、食べたもので作られています。

ですので、血管を構成するための栄養素(タンパク質)は絶対的に必要となってきます。

ただ、栄養素というのは、それ単体でははたらくことはできず、分解をして、それが吸収されるために、また別の栄養素や酵素などの助けが必要になります。

それに加え、その栄養素の性質で、栄養素同士がくっついてしまったり、そのために組織を変質させてしまったり、その結果血液の成分のバランスが崩れたり、そして血液の流れを悪くしてしまったり、と食材以外の、食べ方や食べ合わせ、食べる量などで薬にも毒にもなってしまうということが生じてきます。

しかし!とにかくタンパク質の絶対量は意識して確保することが大事になってきます。

1日に摂る量は、体重×0.9g
1食あたりだいたい手のひら1枚分の肉や魚が必要です。植物性たんぱくも大切です。

そして代謝や消化・吸収や筋肉をつくるために一緒に摂った方がいい栄養素は、ビタミンB群、C、D、鉄、亜鉛、カルシウムなどになります。

2. 血管壁を傷つけずやわらかくキープするための食事のとり方

血管をやわらかく保つためには

  • たんぱく質を十分に摂って糖質をとりすぎないこと。(糖化を避ける)
  • 糖と脂肪の組み合わせのメニューはなるべく避けること。(脂肪の蓄積を避ける)
  • 抗酸化食品をとったり酸化しない生活に心がける。(酸化を避ける)

血管をしなやかにし、サラサラと流れる血液を保つためには、糖と脂質とタンパク質のバランスを意識することはとても大事になります。

なぜなら、糖はさまざまな物質とくっつく性質があり糖を摂り過ぎたところに、脂質を摂り過ぎると内臓脂肪がどんどん形成されたり、タンパク質を摂り過ぎると“糖化”が進む傾向があるからです。

そして酸化しない(錆びない)カラダにするために、旬の野菜に含まれる抗酸化となるフィトケミカル成分や良質の油を摂る、腸内環境をよくするための発酵食品や食物繊維などは常に頭に置き、食事に取り入れることは日常にしたいものです。

つまり、なにを食べるかも重要ですし、どのように食べるか(摂取するか)もとても重要になってきます

食事による強くしなやかな毛細血管をつくるポイントとしては、

  • 血糖値を急激に上げない(インスリンを酷使しない)
  • 糖化させない(焦げさせない)
  • 酸化させない(錆びさせない)
  • 脂肪を蓄積させない(肥満にしない)
  • 脂肪を燃焼しやすい体質にする(ミトコンドリア燃焼体質にする)
  • 筋肉をつける(代謝を上げる)
  • 食べ過ぎない(免疫力を上げる)

ということになってきます。

血管壁を硬くしないための工夫は、若くしなやかなカラダのためにも、病気を予防するためにも、とても重要になってきます。

3. 自律神経およびホルモンと仲良くなる

自律神経と体内に数百もあるホルモンを味方につけることは必須です。

まず血管は自律神経のはたらきをダイレクトに影響を受ける器官です。

交感神経が活発な昼間には血管は収縮し、血液の循環のスピードがあがります。逆に夜は副交感神経が活発になり、血管は拡張し、血液はゆっくりと循環します。

この昼夜繰り返すリズムが安定していることはとても重要で、その単純にリズミカルに繰り返される環境により、血液の役割をしっかりこなし、毛細血管を通してカラダの隅々まで重要なホルモンもきちんと運び作用するという重大な仕事もおこなっているわけです。

特に体内時計の影響を受ける「成長ホルモン」「メラトニン」「コルチゾール」というホルモンが重要で、これらは夜間の睡眠中に分泌され、カラダの修復をするというとても大事なホルモン

その通り道となる毛細血管のルートを確保するということを見落としてはまずいということになります。

毛細血管が消えてしまい、疲れて傷ついたカラダを修復できないということは、老化が進み、硬く循環の悪いカラダを形成してしまうからです。

他にも、動脈硬化を防ぐプロスタグランジン、若さを保つ性ホルモンの元となるDHEA、脳の神経細胞を活性化するセロトニンなど、重要なホルモンの存在もお忘れなく。

これらのはたらきにおいて重要なのは、「体内時計」。

カラダは夜に修復され若返ります。
なので質のいい睡眠はとても大切。

朝起きたら朝陽を浴びることでメラトニンが正常にはたらく体内環境になり、自然と睡眠の質も上がることになります。

逆に夜に不自然な光(PC、テレビやスマホなど)を浴びることは睡眠の質を落とします。

そして睡眠の他にも、入浴、適度な運動、呼吸法、嗜好品や習慣、など、結局は1日の過ごし方(生活習慣)が私たちのカラダづくりを決定づけているということになってくるんですね!

さてと。
できる範囲から、やっていきましょうか。

そのしなやかなカラダに、あなたはどんな器を育てていきますか?

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